「精神障害があっても、できるだけ無理なく暮らせる街に住みたい」
そう考えたことはありませんか?
住む場所を選ぶとき、多くの人は家賃や交通アクセス、買い物の便利さなどを重視すると思います。
もちろん、それらも大切です。
しかし、精神障害のある人にとっては、それだけではなく、「その街で生活していて精神的に疲れにくいか」という視点も重要なのではないでしょうか。
僕は先日、久しぶりに大阪へ行ってきました。
以前、数年間ほど大阪の天王寺周辺に住んでいたことがあります。当時は都会で暮らすことが普通だったので、人の多さや電車の本数、街の情報量などを特に気にしていませんでした。
ところが、久しぶりに大阪へ行ってみると、
「都会って、こんなに人が多かったっけ?」
と思いました。
大阪は便利で活気のある街です。ただ、今の僕には少し刺激が強い。
そこで今回は、久しぶりに大阪へ行った経験をもとに、精神障害者にとって住みやすい街とはどんな場所なのかを、メンタル面から考えてみたいと思います。
精神障害者にとって「便利な街」が必ずしも住みやすいとは限らない
都会には多くのメリットがあります。
電車がたくさん走っています。
病院も多い。
スーパーや飲食店もたくさんあります。
仕事を探す場合も、地方と比較すれば選択肢が多いでしょう。こうした環境は、生活するうえで非常に便利です。
一方で、精神障害のある人の場合、便利さだけでは住みやすさを判断できないこともあります。
例えば、人混みが苦手な人なら、毎日の通勤で大きな駅を利用するだけで疲れてしまうかもしれません。街の騒音や情報量がストレスになる人もいるでしょう。
また、都会では周囲の人が忙しそうにしているため、自分まで「もっと頑張らなければいけない」と感じてしまうこともあります。
もちろん、これは人によって大きく違います。
都会の方が安心する人もいますし、人が多い方が刺激を受けて生活しやすい人もいます。だから、「精神障害者は地方に住んだ方がいい」という単純な話ではありません。
大切なのは、自分にとって何が精神的な負担になるのかを知ることだと思います。
「刺激が少ないこと」も暮らしのメリット
僕は今回、大阪を歩いてみて、「刺激が少ないことにも価値がある」と改めて感じました。
都会では、駅に行けば人がいます。
電車が来ます。
広告があります。
店があります。
さまざまな音が聞こえます。
スマートフォンを開けば、さらに大量の情報が入ってきます。
普通に生活しているだけでも、多くの刺激があります。
元気なときには、それを楽しめるかもしれません。しかし、精神的に疲れているときには、こうした刺激が負担になることがあります。
だからこそ、精神障害のある人が住む場所を考えるときには、
「何があるか」だけではなく、「何が少ないか」
を見ることも大切なのではないでしょうか。
人が少ない。
騒音が少ない。
通勤時間が短い。
家賃の負担が少ない。
自然が近い。
こうした環境は、数字では表しにくいですが、毎日の精神的な負担を減らすことにつながる可能性があります。
精神障害者にとって住みやすい街の条件
では、具体的にどんな街が住みやすいのでしょうか。
僕は、必ずしも大都市でも田舎でもなく、ある程度生活に必要なものが揃った地方都市が一つの選択肢になると思っています。
例えば、スーパーや病院、ドラッグストアなどが近くにある。
公共交通機関もある程度使える。
仕事や福祉サービスを探せる程度の人口規模がある。
その一方で、大都市ほど人が多くない。
こうした街です。
特に精神障害のある人の場合、医療や福祉サービスへのアクセスは重要です。
精神科・心療内科、相談支援事業所、就労支援事業所など、自分が必要とする支援につながりやすいかどうかは、住む場所を選ぶ際に確認しておきたいポイントです。
「静かな街だから住みやすい」と決めてしまうのではなく、必要な支援を受けられる環境なのかも考える必要があります。
「家から職場まで」が楽かどうかも重要
精神障害者にとって、住む場所を考えるうえで特に重要なのが、通勤です。仕事そのものは問題なくても、通勤だけで疲れてしまうことがあります。
満員電車に乗る。
駅で人混みを歩く。
何度も乗り換える。
長時間電車に乗る。
こうした負担が毎日積み重なると、仕事以外の部分でかなり体力を使ってしまいます。
そのため、家賃だけを見て住む場所を決めるのではなく、
「自宅から職場まで、無理なく通えるか」
を考えることが大切です。
多少家賃が高くても職場に近い方が生活しやすい場合もありますし、逆に、職場から少し離れていても静かで落ち着いた場所の方が合う人もいます。
自分がどこで疲れるのかを考えてみることが重要です。
「支援を受けやすい街」という視点も大切
精神障害がある場合、生活の中で福祉サービスや医療機関のお世話になることがあります。僕自身も、これまで就労移行支援や就労定着支援など、さまざまな支援を利用してきました。
その経験から考えても、困ったときに相談できる場所が近くにあることは大きな安心材料になります。
例えば、障害福祉サービスについて相談できる窓口がある。
就労支援につながりやすい。
精神科などの医療機関を受診しやすい。
必要に応じて相談支援を利用できる。
こうした環境があるだけでも、生活に対する安心感は変わってくると思います。
そのため、「静かだから」という理由だけで住む場所を決めるのではなく、自分が利用できる医療・福祉サービスがあるかを事前に調べておくことをおすすめします。
精神障害者にとって「ちょうどいい街」を探す
結局のところ、精神障害者にとって住みやすい街に、全国共通の正解はありません。
人によって必要なものが違うからです。都会の方が病院や仕事が多くて安心する人もいます。逆に、人混みや騒音が負担になる人なら、少し落ち着いた街の方が暮らしやすいかもしれません。
車を運転できる人と、公共交通機関を中心に生活する人でも、住みやすい場所は変わります。
一人暮らしなのか、家族と暮らすのかでも違います。
だからこそ、
「精神障害者におすすめの街はどこか?」
と考えるより、
「自分はどんな環境なら精神的に無理なく生活できるのか?」
と考えた方がいいと思います。
僕の場合、今回久しぶりに大阪へ行ってみて、以前よりも「静かさ」や「人の少なさ」を重視するようになったことに気づきました。
昔は都会の便利さに魅力を感じていました。
今は、必要なものがある程度揃っていて、落ち着いて暮らせる地方都市くらいがちょうどいいのではないかと思っています。
これは、僕自身の価値観の変化です。
住む場所を変える前に、一度「お試し」してみる
もし今の街が自分に合っていないと感じているなら、いきなり引っ越す必要はありません。まずは気になる街に何度か行ってみるといいと思います。
できれば観光地だけではなく、実際に住宅街を歩いてみる。
スーパーに行ってみる。
最寄り駅を見てみる。
病院や福祉施設の場所を調べてみる。
平日と休日の両方を見てみる。
そうすると、その街で暮らした場合のイメージがかなり具体的になります。
可能であれば、短期間だけ滞在してみるのもいいでしょう。
「この街に住んだら、朝はどうやって通勤するだろう?」
「買い物はどこでするだろう?」
「体調を崩したら、どこに相談すればいいだろう?」
そんなことを考えながら街を見ると、単なる観光とは違った見え方をしてきます。
まとめ――住みやすい街は「自分が無理をしなくていい街」
久しぶりに大阪へ行って、僕は「都会には都会の良さがある」と改めて感じました。便利ですし、選択肢も多い。
一方で、今の僕にとっては、人の多さや情報量などが少し刺激的でした。だからこそ、精神障害者が住む場所を考えるときには、便利さだけではなく、「自分が無理をせずに生活できるか」という視点も大切なのだと思います。
必要な医療や福祉サービスがある。
仕事に無理なく通える。
買い物に困らない。
家賃を無理なく払える。
そして、家に帰れば安心して静かに過ごせる。
そんな環境なら、必ずしも大都市である必要はありません。
都会でも地方でも、自分に合った場所ならいい。
大切なのは、「一般的に住みやすい街」を探すことではなく、自分にとって住みやすい街を探すことなのだと思います。
精神障害があるからこそ、自分の心身に合った生活環境を選ぶ。それは決して甘えではなく、長く安定して生活していくための一つの工夫なのではないでしょうか。


コメント