障害者雇用でも仕事がつらいとき。無理せず働き続けるための考え方

仕事

「障害者雇用で働いているのに、仕事がつらい」

「配慮してもらっているのだから、多少の無理は我慢しなければいけない」

そんなふうに考えていませんか?

障害者雇用は、精神障害のある人にとって働き続けるための大切な選択肢です。職場から合理的配慮を受けられたり、体調に応じて相談できたりすることは、大きなメリットです。

しかし、障害者雇用だからといって、仕事が必ずしも楽になるわけではありません。

仕事には責任がありますし、職場の状況によっては忙しくなることもあります。精神障害がある場合、接客や人間関係、予定外の対応などが精神的な負担になることもあるでしょう。

僕自身、レジャー施設で障害者雇用として働いています。最初は接客を含む仕事をしていましたが、負担が大きかったため、職場に相談して環境整備の仕事を中心に担当するようになりました。

それでも、来場者から質問を受けたり、忙しい日に接客の負担が増えたりすることはあります。

仕事が精神的につらくなり、とん服を飲んで休憩を取り、1時間ほどかけて持ち直したこともありました。

こうした経験から感じるのは、仕事を長く続けるためには、頑張ることだけでなく、無理をしすぎないことも大切だということです。

今回は、障害者雇用で働く人が、できるだけ自分の体調を守りながら仕事を続けるための考え方を紹介します。

障害者雇用でも仕事がつらいのは、おかしなことではない

障害者雇用というと、一般雇用よりも負担が少なく、安心して働ける環境をイメージする人もいるかもしれません。実際に、障害の特性に応じた業務調整や勤務上の配慮を受けられることは、障害者雇用の大きなメリットです。

ただし、配慮があることと、仕事の負担がなくなることは別の話です。

例えば、精神障害のある人にとって、次のような場面が負担になることがあります。

  • 接客や電話対応など、人と直接やり取りする仕事
  • 急な予定変更や、想定外の出来事への対応
  • 忙しい時間帯に複数の仕事を同時に進めること
  • 周囲に気を遣いすぎたり、失敗を必要以上に気にしたりすること
  • 疲れていても、周囲に合わせて頑張り続けること

もちろん、負担に感じる仕事は人それぞれです。精神障害があっても接客が得意な人はいますし、反対に、静かな環境で集中して働くほうが力を発揮できる人もいます。

大切なのは、ほかの人と自分を比較しすぎないことです。

同じ職場で働いていても、得意なことや苦手なこと、疲れやすさは違います。障害者雇用で働いているのに仕事がつらいからといって、自分を責める必要はありません。

まずは、自分にとって何が負担になっているのかを把握することから始めてみましょう。

仕事がつらいときは、仕事内容の調整を相談する

仕事がつらくなったとき、最初に考えたいのが仕事内容の調整です。

僕の場合、以前は接客を含む仕事を担当していました。しかし、接客には精神的な負担があり、仕事を続けるうえで課題になっていました。そこで職場に相談し、現在は清掃などの環境整備を中心に担当しています。

もちろん、環境整備の仕事にも大変な部分はあります。施設を利用するお客さんから質問されることもありますし、忙しい日は落ち着いて作業できないこともあります。それでも、日常的に接客をする仕事と比べれば、負担は軽くなりました。

この経験から感じたのは、仕事がつらいとき、必ずしも自分が我慢して適応する必要はないということです。

仕事内容を少し変えてもらう、接客の頻度を減らしてもらう、作業の優先順位を明確にしてもらうなど、職場と相談できることは意外にあります。

もちろん、職場の人員配置や業務上の事情もあるため、すべての希望が通るとは限りません。それでも、何も伝えなければ、職場は自分がどの程度負担を感じているのか分からないままかもしれません。

相談するときは、単に「仕事がつらい」と伝えるだけでなく、何が負担になっているのか、どのような調整があれば働きやすくなるのかを整理すると、話が進みやすくなります。

例えば、次のような伝え方です。

「接客が続くと精神的な負担が大きくなり、午後から体調を崩しやすくなります。可能であれば、接客の頻度を調整していただけないでしょうか」

自分の苦手なことを伝えるのは、決してわがままではありません。仕事を続けるために必要な相談だと考えてみてください。

つらいときは休憩を取る。無理を続けないことも仕事のうち

仕事をしていると、多少つらくても頑張らなければいけないと考えてしまうことがあります。特に、周囲が忙しそうに働いていると、自分だけ休むことに抵抗を感じる人もいるでしょう。

僕も、仕事を最後までやり遂げようと考えすぎてしまうことがあります。しかし、精神的な負担が積み重なり、仕事を続けられなくなってしまっては意味がありません。

以前、来場者が多いうえに接客の仕事が重なり、午前中は何とか乗り切ったものの、午後から精神的にきつくなったことがありました。そのときは、とん服を飲み、1時間ほど休憩を取ることで、何とか持ち直すことができました。この経験から、つらくなったときに休むことの大切さを改めて感じました。

もちろん、休憩を取れば必ず回復するわけではありません。体調によっては、早退や欠勤が必要になることもあるでしょう。

大切なのは、限界まで我慢しないことです。

精神的な負担が大きくなっているときは、集中力が落ちたり、普段なら問題なくできることが難しくなったりすることがあります。そんな状態で無理を重ねるよりも、早めに休んだほうが、その後の仕事を続けやすくなる場合があります。

休憩を取ることに罪悪感を覚える必要はありません。自分の体調を守ることも、仕事を継続するために必要な行動です。

なお、薬の使用については、医師からの指示に従いましょう。休憩を取っても回復しない状態が続く場合や、頓服の使用が増えている場合は、主治医にも相談することが大切です。

就労定着支援など、職場以外の相談先を活用する

仕事がつらくなったとき、職場に直接相談することが難しい場合もあります。上司に気を遣ってしまったり、どのように説明すればよいか分からなかったりすることもあるでしょう。そんなときに活用したいのが、就労定着支援などの支援機関です。

僕は、就労移行支援を利用して就職し、そのまま同じ事業所で就労定着支援を利用しています。就労定着支援では、定期的な面談などを通じて、仕事上の悩みや困りごとを相談できます。

僕にとって特に助かっているのは、職場に直接伝えにくいことを、支援員さんに相談できる点です。

例えば、接客の負担が増えて精神的にきつくなっている場合、自分だけで抱え込まず、支援員さんに状況を説明できます。

支援員さんと一緒に問題を整理することで、自分が何に困っているのかが明確になることもあります。必要に応じて、本人の同意のもとで支援員さんから職場に状況を伝えてもらうこともできます。

自分ではうまく言葉にできない悩みでも、第三者が間に入ることで、職場に伝わりやすくなる場合があります。

もちろん、支援機関がすべての問題を解決してくれるわけではありません。それでも、仕事の悩みを一人で抱え込まずに済むことは、大きなメリットです。

就労定着支援を利用していない場合でも、就労移行支援の事業所、地域の障害者就業・生活支援センター、自治体の相談窓口など、状況に応じて相談できる場所があります。

仕事がつらいときほど、自分一人で何とかしようとしないことが大切です。

完璧を目指さず、仕事を続けられる働き方を考える

精神障害のある人が仕事を続けるうえで、もうひとつ意識したいのが、完璧を目指しすぎないことです。

もちろん、仕事には責任があります。任された業務をきちんとこなすことは大切です。ただし、すべてを完璧にこなそうとすると、必要以上に疲れてしまうことがあります。

僕自身、仕事ではきちんとやりたいという気持ちが強く、つい頑張りすぎてしまうことがあります。しかし、毎日全力で働き続けることは簡単ではありません。

体調がよい日もあれば、そうでない日もあります。仕事が比較的落ち着いている日もあれば、予想以上に忙しくなる日もあります。

そうした変化があるなかで、毎日同じ水準の働きを求めすぎると、自分を追い込んでしまう可能性があります。だからこそ、仕事では「今日できる範囲で、必要なことを着実に進める」という考え方も大切です。

例えば、次のようなことを意識してみてください。

  • 優先順位をつけて、重要な仕事から取り組む
  • 分からないことや難しいことは、早めに相談する
  • 体調が悪い日は、無理をせず休憩や業務調整を検討する
  • 仕事上の小さな失敗を、必要以上に引きずらない
  • 自分にできることと、今は難しいことを区別する

仕事で100点を目指すよりも、無理なく働き続けられる状態を維持する。これは、決して手を抜くという意味ではありません。自分の体調や能力に合わせて、長期的に働き続けるための工夫です。

障害者雇用では、収入やキャリアアップなど、さまざまな課題を感じることもあるでしょう。それでも、まずは仕事を継続できることを大切にするという考え方があってもよいと思います。

どうしてもつらいときは、働き方そのものを見直してもいい

ここまで、仕事内容の調整や休憩、支援機関への相談などを紹介してきました。ただし、職場に相談しても負担が軽くならない場合もあります。

配慮を受けていても体調を崩すことが続いたり、仕事のことを考えるだけで強い不安を感じたりする場合は、今の働き方が自分に合っているのかを考えてみてもよいでしょう。

その際は、主治医や支援員さんなどと相談しながら、勤務時間の変更、業務内容の再調整、休職、転職などの選択肢を整理することもできます。

すぐに仕事を辞める必要はありませんが、今の職場にしがみつくことだけが正解でもありません。また、仕事を辞めずに済むように、すべての負担を自分で引き受けなければいけないわけでもありません。

体調を崩して働けなくなってしまう前に、働き方を見直すことも大切です。僕自身、仕事内容を調整してもらうことで、以前より働きやすくなりました。このように、仕事を続けるための方法は、必ずしも自分が努力することだけではありません。

職場の配慮を受けることも、支援機関を頼ることも、必要に応じて働き方を変えることも、選択肢のひとつです。

大切なのは、自分の体調や生活を犠牲にしてまで働き続けることではなく、自分に合った働き方を探していくことだと思います。

まとめ:無理せず働き続けることを大切にしよう

障害者雇用は、精神障害のある人が働き続けるための大切な選択肢です。しかし、障害者雇用だからといって、仕事の負担がなくなるわけではありません。

接客や人間関係、忙しさなどが精神的な負担になることもあります。そんなときは、自分の努力だけで解決しようとせず、仕事内容の調整を相談したり、休憩を取ったり、就労定着支援などを活用したりすることが大切です。

そして、完璧を目指しすぎず、自分の体調に合った働き方を考えてみてください。

僕自身、接客の負担について職場に相談し、仕事内容を調整してもらうことで、以前より働きやすくなりました。それでも、忙しい日には精神的につらくなることがあります。

だからこそ、これからも無理をしすぎず、必要なときには周囲を頼りながら働いていきたいと考えています。

仕事は大切ですが、仕事だけが人生のすべてではありません。

収入を得ることも大切ですし、将来に向けてキャリアを築くことも大切です。しかし、それ以上に、自分の生活や健康を守ることも忘れてはいけません。

頑張り続けることだけが、仕事を続ける方法ではありません。

無理をしない工夫をしながら、自分に合った働き方を探していきましょう。

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