精神障害者の投資戦略|無理なく資産を増やすために大切なこと

お金

精神障害があると、仕事や収入、将来のお金について不安を感じることがあると思います。

僕自身、精神障害を抱えながら働いています。現在は障害者雇用で働いていますが、以前の仕事と比べると収入は少なくなりました。将来の生活や老後のことを考えると、お金について不安がないわけではありません。

そんな僕が取り組んできたのが、投資による資産形成です。

投資を始めてから約8年。これまで相場の下落も経験してきましたが、少しずつ資産を積み上げてきました。

もちろん、投資をすれば誰でもお金が増えるわけではありません。しかし、収入が限られているからこそ、お金との付き合い方を考えることは大切だと思っています。

今回は、僕自身の経験も踏まえながら、精神障害がある人の投資戦略について考えてみます。

精神障害がある人こそ、お金の不安に備えたい

精神障害がある人にとって、働き続けることは簡単ではありません。

体調によって仕事を休まなければならないこともありますし、職場との相性や業務内容によっては、転職を考える必要が出てくるかもしれません。

障害者雇用という選択肢もありますが、一般的に高収入を得られる仕事ばかりではありません。僕自身、現在は障害者雇用で働いていますが、以前の仕事と比べると収入は下がりました。

働いて収入を得ることは大切です。しかし、給料だけに頼って生活していると、働けなくなったときや収入が減ったときに困る可能性があります。

そこで考えたいのが、貯蓄と投資です。

もちろん、投資をすれば生活が安定するという単純な話ではありません。投資には元本割れのリスクがありますし、短期間で大きく資産を増やそうとすれば、それだけ大きな損失を抱える可能性もあります。

大切なのは、一発逆転を狙うことではなく、長い時間をかけて資産を育てていくことです。

精神障害があるからといって、必ずしも投資を避けなければならないわけではありません。ただし、体調や収入、生活環境に合わせて、無理のない方法を選ぶ必要があります。

少額でも積み立てを続ける

僕が大切だと思っているのは、毎月少しずつでも投資を続けることです。

投資というと、まとまった資金が必要だと思う人もいるかもしれません。しかし、投資信託などは少額から購入できるため、最初から大きなお金を用意する必要はありません。

例えば、毎月5,000円を積み立てれば、1年間で6万円になります。毎月1万円なら、1年間で12万円です。

これを10年間続ければ、元本だけでそれぞれ60万円、120万円になります。実際の運用結果によって資産額は変わりますが、少額でも長期間続けることで、まとまった資産につながる可能性があります。

重要なのは、最初から無理な金額を設定しないことです。

精神障害があると、体調が悪くなったり、仕事を休んだりすることで、収入や生活費の見通しが変わる場合があります。そうした状況で、毎月の投資額を大きくしすぎると、かえって生活を圧迫してしまいます。

投資を始めたばかりの頃は、月1,000円や3,000円といった金額でも十分です。生活に余裕ができてから、少しずつ積立額を増やせばよいと思います。

また、相場が下落したからといって、慌てて売却したり、無理に追加投資したりする必要はありません。自分で決めた方針を守り、生活に支障が出ない範囲で続けることが大切です。

投資は、他人と競争するものではありません。SNSなどで大きな資産を持つ人や、高額な投資をしている人を見かけても、比較する必要はないのです。

自分の収入と生活に合った金額で、コツコツ続けていきましょう。

インデックス投資を中心に考える

では、具体的にどのような投資をすればよいのでしょうか。僕が資産形成の方法として有力だと考えているのが、インデックス投資です。

インデックス投資とは、日経平均株価や米国のS&P500など、特定の株価指数に連動する運用成果を目指す投資方法です。投資信託を利用すれば、個別の企業を一つずつ選ばなくても、複数の企業にまとめて投資できます。

特に、長期的な資産形成を目指すなら、全世界の株式に幅広く投資する商品も選択肢になります。

代表的な投資対象としては、次のようなものがあります。

全世界株式型のインデックスファンド

世界各国の株式に幅広く投資するタイプです。特定の国だけに投資するのではなく、世界全体の経済成長を取り込むことを目指します。

S&P500連動型のインデックスファンド

米国の代表的な株価指数であるS&P500に連動する運用成果を目指します。米国の主要企業を中心に投資したい人にとって、選択肢の一つです。

どちらが絶対に優れているというわけではありません。全世界株式型でも米国株の割合は大きくなることがありますし、S&P500型は米国市場への集中度が高くなります。

どちらを選ぶにしても、投資対象や運用コストを確認し、自分が納得できる商品を選ぶことが大切です。

僕は、精神障害がある人にとって、投資先を頻繁に入れ替えたり、毎日株価を分析したりする必要が少ない方法は、検討する価値があると思っています。

個別株の売買や短期トレードでは、企業分析や売買のタイミングを考える必要があります。相場の動きが気になって、仕事や日常生活に影響が出てしまう人もいるかもしれません。

その点、インデックス投資を利用して長期保有を基本にすれば、投資に費やす時間や手間を抑えやすくなります。

ただし、インデックス投資でも資産が大きく減ることはあります。元本が保証されているわけではありませんし、将来の利益が約束されているわけでもありません。

だからこそ、短期的な値上がりを期待するのではなく、長期・積立・分散を基本に考えたいところです。

投資を始める前に、生活防衛資金を確保する

ここまで投資のメリットを紹介してきましたが、僕は、投資を始めることよりも先に考えてほしいことがあります。それは、生活防衛資金を確保することです。

生活防衛資金とは、病気や失業、急な出費などに備えて、すぐに使える状態で確保しておくお金のことです。

例えば、体調が悪化して仕事を休まなければならなくなった場合、収入が減ったり、予想外の支出が発生したりする可能性があります。そんなときに、生活費まで投資に回していると、相場が下落しているタイミングでも、資産を売却せざるを得なくなるかもしれません。

株式市場は、自分の都合に合わせて回復してくれるわけではありません。そのため、当面の生活費や急な出費に対応できるお金は、預貯金として確保しておきたいところです。

必要な金額は、実家暮らしなのか、一人暮らしなのか、毎月の支出はいくらなのかによって異なります。自分の生活環境に合わせて考える必要があります。また、障害年金や各種支援制度を利用している人は、そうした収入や制度も含めて家計を把握しておくとよいでしょう。

投資に回すお金は、あくまで当面の生活に必要のない余裕資金です。

生活が苦しいのに無理をして投資をする必要はありません。貯蓄を優先する時期があってもよいですし、体調が悪いときには積立額を減らしたり、一時的に停止したりすることも選択肢になります。

資産形成は、生活を犠牲にしてまで取り組むものではありません。

NISAを活用し、投資の手間を減らす

投資をするなら、NISAの活用も検討したいところです。

NISAは、一定の投資から得られる利益が非課税になる制度です。通常、課税口座で株式や投資信託などを運用して利益が出た場合には、原則として約20%の税金がかかります。NISA口座では、制度の範囲内で対象となる利益が非課税になります。

長期的に資産形成を行う場合、税金の負担を抑えられることはメリットです。特に、少額の積立投資を長く続けたい人は、NISAのつみたて投資枠を利用する方法を検討してもよいでしょう。

ただし、NISAを利用すれば損失がなくなるわけではありません。非課税になるのは対象となる利益であって、投資元本が保証される制度ではない点には注意が必要です。

また、NISAには年間の投資枠などの制度上のルールがあります。実際に利用する際は、金融庁の公式情報などで最新の内容を確認してください。

投資を始めるときは、手数料の低いインデックスファンドを中心に検討し、積立設定を活用して、日々の売買判断を減らすのも一つの方法です。

毎日のように株価を確認して一喜一憂するよりも、仕事や趣味、休養など、自分の生活を大切にすることを優先したいと僕は考えています。

投資の目的は、お金持ちになることだけではない

僕は、投資を始めてから約8年が経ちました。

その間には、コロナショックなど相場が大きく下落する場面もありました。資産が減ると、やはり気分がよいものではありません。それでも、短期的な値動きに振り回されすぎず、長期的な資産形成を意識してきました。

投資を続けるなかで感じるのは、資産があることは、将来の選択肢を増やすことにつながるということです。

例えば、将来まとまったお金が必要になったとき、資産があれば対応できる可能性が高まります。働き方を見直したいときや、学び直しをしたいときにも、経済的な余裕が役立つかもしれません。

もちろん、資産があればすべての問題が解決するわけではありません。健康や人間関係、働きやすい環境など、お金だけでは解決できないこともたくさんあります。

それでも、経済的な余裕を少しずつ作っていくことには意味があると思います。

精神障害があると、将来のことを考えるだけで不安になることもあるでしょう。だからこそ、できることから少しずつ取り組むことが大切です。

毎月数千円を貯蓄する。家計を見直す。投資について勉強する。自分が利用できる制度を調べる。こうした小さな積み重ねも、立派な資産形成です。

まとめ:自分のペースで資産形成を続けよう

精神障害がある人の投資戦略として、僕が大切だと考えているのは、無理をせず、長期的な視点で資産形成に取り組むことです。

少額から積立投資を始め、全世界株式やS&P500などのインデックスファンドを選択肢にする。そして、投資を始める前に生活防衛資金を確保し、NISAなどの制度も活用する。

こうした方法は、誰にでも必ず利益をもたらすものではありません。しかし、リスクを理解し、自分の生活に合った方法を選ぶうえで、一つの考え方になると思います。

投資に大金をつぎ込む必要はありませんし、他人と資産額を比較する必要もありません。大切なのは、生活や健康を犠牲にせず、続けられる範囲で取り組むことです。

精神障害があるからこそ、将来の不安に備えるためのお金について、少しずつ考えてみてはいかがでしょうか。

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